測定機器紹介|建設工事は正確に測ることから始まり、測ることの連続です。
今回は、一般の方には見慣れない弊社にあるさまざまな測定機器類の、ほんの一部をご紹介します。
品質管理の第一歩は測定です。
モノづくりは正確に物事を測り、知ることから始まります。
大昔の大工さんは足で寸法を測ったといいますが、それはそれで正確だったのでしょう。
しかしながら現代の現場管理においては、もっと緻密で複雑な素材や材料の組み合わせを管理していかなければなりません。とても「めっそう(目分量)*」では判断できないのです。
そこで必要になってくるのが、さまざまな測定機器です。
*「めっそう」というのは、方言です。
ところで、みなさんはこんな風景を見かけたことがありませんか。
写真撮影のように三脚を立てて何やらのぞき込んでいるようす。
前を横切ってもいいのかなぁと思ってしまいませんか?
これは測量といい、その土地の形状を正確に測る作業なのですが、扱ったことがある方はほぼいらっしゃらないと思います。
建物を建てる一連の工程の中にはこのような何かを “はかる” という作業が想像以上に多いのです。
そこで今回は、わたしたちが仕事で実際に使用している測定定機器類の、ほんの一部を紹介させてください。
検査に使う測定機器
おもにそのものの状態を確認し、安全性や工事部位を確認します。
シュミットハンマー
コンクリートの強度を測定します。非破壊試験ですので気軽にできます。
コンクリート面に打撃を与えて反発力を計測しコンクリート強度に換算します。
精度はあまり高くないため、複数個所を調査し判断します。
コンクリート打設後の必要強度の確認や、既設建物の耐震性能の目安としてのコンクリート強度調査などに使用します。
内視鏡
先端にカメラが付いたワイヤー状で、写真や動画の撮れる小型モニターが付いています。配管内のトラブルや、体の入らない部分の不具合を調べます。
コンクリート探査機
コンクリート内の鉄筋や配管の位置を調べます。
やむを得ずコンクリートに穴をあけなければならない場合などに、鉄筋や配管などコンクリート内の埋設物を確認するために使用します。
打診棒
タイル張りの表面を滑らせて、その音でタイルの浮きの有無を確認できます。
サーモカメラ
表面温度を色分けで調べることが出来ます。タイルの浮きや漏水箇所、断熱不良等を見つけられます。
土地の形や高さを測る測量機器
おもに建築・土木工事で、その現場の土地の詳細情報を得ます。
トランシット
ある基準線に対して直角方向など角度を出したり測ったりします。
これが無いと建物がまっすぐになりません。
レベル測定器
高低差や水平を測り高さを測定します。トランシット同様、建物を図面通り作るには必需品です。レーザーレベルはレーザーを発信して水平面を投射します。
小型のものは、内装工事や大工工事等で主に使われます。
ものの長さ重さ速さ量などを計る測定機器
おもにそのものの大きさや含有量を数値化します。
コンベックス・ルール(巻き尺)
通常現場では「スケール」と呼ばれています。作業員ほぼ一人に一台、必需品で現場のあらゆるところ測ります。スチール製で直立性があり丈夫です。
建築現場では許容誤差が定められたJIS基準のものを使用します。
スチールテープ
コンベックス・ルールよりも長い距離(10~100m)を測るときに使用します。
気温による伸び縮みやたるみに注意し使用します。
工場と現場など複数用いる場合、使用前にテープ合せを行ないます。
距離計
レーザーの反射で瞬時に測定可能。ピンポイントで目標物を捉え障害物がある現場でも簡単正確に測定可能。一人で測定できます。手の届かない天井の高さは簡単に測定できます。
水分計(コンクリート用、木材用)
コンクリート・木材の水分量を測定します。
施工品質に大きく影響する下地や材料自体の乾燥度合いを確認するために使用します。
ダイヤルゲージ
寸法精度を確認するために用いられます。この機器単体で使用はできず、別の測定器などの基準と比較し、その測定値や差を読み取る測定器です。
ゴム硬度計
プラスチックやゴムなどのソフトマテリアルの硬さを測定します。 決められた形の押針をスプリングの力で試料の表面に押しつけて変形を与え、試料の抵抗力とスプリングの力がバランスした状態での押針の「試料への押込み深さ」をもとに、硬さを測定します。
環境計測機器
おもに環境保全に基づく各種規制遵守、人々の安全を守るという目的に使用します
騒音測定器
着工前の環境音の測定や、工事現場から発生する音の測定を行なったことがあります。
また、ホワイトノイズ発生器(通称 雑音発生器)を用い、音源からの距離・遮蔽物等を変化させて傾向を測定します。
温湿度計
温度と湿度を同時に測定し、1~30日間の記録ができます。
室内の温度と湿度の変化に測定することによって、結露の原因を調べたり、換気状況を調べたりします。
検知管式気体測定器
気体採取器と検知管で、空気中の測定対象物質の含有の有無とその濃度を調査できます。
弊社では、ホルムアルデヒドの調査に使用しました。
ガス検知器
二酸化炭素やヘリウムなど、複数種のガスを瞬時に検出します。酸欠事故防止用です。
有毒ガス検知器
現場作業員の安全確保や漏洩箇所の調査や、その濃度測定に使用します。(当社では毒性ガス自体を使用する現場はありません。)
地耐力測定器
当社では、地盤補強を必要としない直接基礎の場合に、事前に行なった地盤調査データと実際の地質の確認を行ない、合わせてこの地耐力測定器を用いる場合があります。地盤補強をする場合は、重機を用いた地耐力測定を行います。
まとめ
建物は計画・設計の段階から生活がはじまってからも、何かと「測定」とは縁が切れません。
その建物で生活されるみなさんの安全確保はもちろん、建設中の現場作業員の安全確保にも、たくさんの測定機器たちが活躍しているのです。