防犯対策|空き巣のターゲットにならないマンションに!
マンションの管理組合の総会などで、「マンションの防犯」について話し合うことがよくあります。すると、少なからず「何号室の誰々さんの家に~」「私の家にも~」といった空き巣被害の報告があったりします。
残念ながら空き巣被害は、身近なところで発生しているのです。
今回は、住人のみなさんに確認していただきたいポイントをご紹介します。
賃貸マンションオーナー様には、安全性の高いマンションにすることが、空き室対策にもつながると思います。
安心できる住まいにしましょう!
まずは、敵を知る
空き巣がターゲットにするマンションはどんなマンションでしょうか?
突然ですが、“例えば”です。
もしあなたが空き巣なら、A,Bどちらのマンションに侵入しますか?
A.道路からよく見え、管理人が常駐し共用部の管理が行き届いている。住人同士が笑顔で挨拶しあっている。
B.道路から奥まった場所で見えにくく、郵便受けには新聞やチラシがたまっている。周囲には配管や足場になるようなものが置かれている。
おそらく、大多数の方がBとお答えになるのではないでしょうか。
つまり空き巣のターゲットになりやすいのは・・・
・近づきやすく(セキュリティが甘く)
・外から見えにくく(人目につかず、犯行を通報されない)
・住民同士が顔を知らず(不審者だと気づかれにくい)
・簡単に侵入できる(室内侵入に時間がかからない)
そんなマンションということです。
設備面では、何が有効な対策なのでしょうか?
共用部
防犯カメラ
建物内への出入りを記録しているということが犯罪の抑止効果になります。
防犯カメラは出入り口だけでなく、各所に設置したいですね。
・ゴミ置き場
・エレベーター内
・共有廊下
・駐車場
・駐輪場 などなど
ゴミ置き場の不法投棄や自転車の盗難などにも効果的です。
オートロック
専用の鍵や暗証番号でしか解除できないため、それ以外では解除して入ることはできません。
よく「住人が解除した時に一緒に入ってきた人がいる」などの話がありますが、その場合でも不審な人物と認識されます。
忍び返し
乗り越えられそうな隣地フェンスの上などに設置し、よじ登らせないための製品で、さまざまなデザインのものが流通しています。
表から見えにくい隣地際などからの侵入も多いのです。
なんと、縦樋を上って侵入する例もあります。
空き巣犯は意外と身軽で、30センチ角の隙間があれば侵入します。縦樋を上ることなど朝メシ前です。
縦樋をチェックしてみてください。誰かがのぼった跡がないか。意外と足跡がついていたり、上った形跡があったりしますよ。
専有部
室内への侵入防止対策は、どれだけ侵入するのに時間をかけさせるかです。
時間のかかりそうなところからは入りません。
玄関の鍵
ピッキングに強いディンプルキーなどの鍵で、ダブルロックにするのが有効です。
ディンプルキー
鍵にいくつものくぼみが彫られておりこの形状にシリンダー内のピンが合って鍵が回ります。
複雑でたくさんの開錠のパターンも増えることからピッキングされにくいとされています。
ディンプルキー以外にもピッキングされにくい鍵がありますが、開錠するまでにかかる時間が長い鍵が防犯性がたかいということになります。
また玄関の隙間から金物を差し込んで、サムターンを回す手口もあります。
サムターンカバーやサムターン自体取り外せるもの、チェーンロックあるいはU字型ドアロックを掛けるようにしましょう。
鍵の種類もさまざま
・非接触型(鍵穴がない)
・カード式
・指紋認証式
・番号入力式
などさまざまな防犯対策用のタイプがあります。
毎日使用するものですので、使い勝手の点や不具合の頻度なども考慮して設置してください。マンションのオーナーであれば入退去時の鍵交換の管理も重要な課題です。
窓
面格子。一般的にマンションに設置されている面格子は、それほど丈夫でないものがほとんどですが、時間をかけさせる点では有効です。
時間をかけさせるという点では、単板硝子よりもペア硝子、防犯フィルムなどもあります。
空き巣犯がガラスを割って侵入する場合、大げさに窓枠全部のガラスを割るわけではありません。
鍵のある部分だけを割って窓を開けて侵入します。
ガラスは、ある一般的な工具で簡単に小さな音で割れてしまいます。
※ちなみにワイヤー入りの防火用ガラスがありますが防犯機能は全くありません。
建物管理面での、防犯対策は
清掃・整理
日常の清掃、敷地内の草刈り、駐輪場の整理など定期的に清掃や点検され管理されている建物には入りにくいものです。
ご近所力
住民同士のコミュニケーションなども有効な予防手段です。
なんとなくでも住民同士の顔がわかるというのは防犯上も有効です。
施錠
最も基本的な点でありながら、最も多い空き巣の侵入手段になっているのが『無施錠』です。
室内にいるときも外出する時も、必ず鍵をかける習慣をつけましょう。
無施錠は、空き巣にとって最高の環境です。
こんな地域に犯罪が多い
逃走経路になりそうな、主要鉄道や幹線道路が近い場所を選ぶともいわれています。
公園などのある場所では、住人の出入りなどの下見に使われることもあります。
路上に放置自動車があったり、ゴミが散乱しているなどする地域では犯罪が起こりやすいといわれています。
小さな犯罪が大きな犯罪を呼ぶというような悪循環が起こります。
ゴミのポイ捨て、信号無視、車道横断、落書きなど小さな犯罪を無くすことしないことも大事です。
まとめ
犯罪すべてを防ぐことは難しいことです。
夜中に目出し帽を被った犯人がカメラの前から車を盗んでいったということもありました。
エントランスにオートロックの掛かったマンションでも空き巣被害が出ています。
防犯対策のすべてが、完璧な方法というわけではありません。
できるだけ日常生活にも支障がなく犯罪者が侵入しにくい建物にすることと、ドア・窓の施錠や地域のコミュニケーションなど住む人の行動により犯罪の起こりにくい町にしていくことが大切だと思います。
マンションでは、十数年ごとに大規模改修工事を行いますから、そのタイミングで防犯対策を見直すことをおすすめします。