浅井工務店

コラム

企業紹介リフォーム

オフィス改装までの準備と、居ながらリフォームの選択

  ASAIoffice

自社施工のオフィス改装の舞台裏。
改装後は、快適なオフィスですごせます。しかしその裏には、難関の予算取り、意見のすり合わせから、数十年分の断捨離作業、思わぬトラブル、そしてたくさんの工夫がありました。
いつもとは違い、今回は施工してもらう側の立場にもなりました。
お客様目線で、寄り添うことのできるご提案につなげる経験となりました。
オフィス改装をリアルに体験し、どのような準備をしてきたのか、オフィス改装準備から工事開始までの流れや、体験をふまえた注意点などをご紹介します。

※オフィス改装の目的は、こちらのコラム1で紹介しています。
※オフィス改装の施工編は、こちらのコラム3で紹介しています。

オフィス改装準備のフロー

私たちの仕事は、創立以来お客様からのご希望を叶えるために、快適な住空間を創造することでした。現在の自社施工の本社ビルは1987年に竣工して以来、内部の大規模な改装は行っていませんでした。

①現状認識と要望洗い出し&社内調整

まずは、社内で過ごすことの多い総務スタッフを中心に新オフィスへの要望を、ひたすら列挙しました。(ここではできるできないは考えず、とにかく要望を出しつくすことにしました。)

総務部門

古い備品を新調したい。
きれいで明るく洗練された雰囲気にしたい。
ウッディな感じがいい。色はグリーンを使いたい。
受付から丸見えで、お互い気まずいし、セールス対応が煩わしい。
女性専用のロッカーや更衣スペースがほしい。
書類を整理した上で保管ルールを守りすっきり管理していきたい。
オンライン打合せや、経理業務などの集中できるスペースがほしい。
ランチスペース(休憩スペース)を独立してほしい。
通路が狭く、遠回りしないといけないのがいや。
給湯室も新しくしたい。
天井から垂れ下がるコードなど配線をすっきりしたい。
情報ネットワーク機器を安全における場所がほしい。
カーテンが古いから変えたい。
男子トイレも変えたい(お客様も利用)

もちろん男性スタッフ中心の営業、工事部門にもヒアリング!

営業部門

お客様等外部の方を招くことができる会社にしたい
昭和なエントランスをなんとかしたい
来社された人の動線が悪い
応接室はしっかりと打ち合わせができるスペースにしたい
物が増えすぎて事務所内が整理整頓できない
節電のために間引きした照明器具がみずぼらしい
カタログを整理して、保管できるスペースほしい
OAフロアにしたい。
断熱してほしい

工事部門

普段は現場に出てしまい、居ないけど、自分の仕事道具を置いておける場所はほしい。
ひと現場終わった時に、現場の備品を一旦保管する場所がほしい。
工事には保管義務書類が多いため、それが保管期限分保存できるような書棚がほしい。
男子にも人数分ロッカーあるといい。
社内に居ることが少ないせいか、総務部門より言葉少な・・・。

💪 がんばりどころやはり部門ごとに求めるところは少しずつ違います。
あっちを立てれば、こっちが立たず・・・帯に短かしタスキに長し・・・いろいろな慣用句が浮かんでくるシチュエーションを迎えました・・・。
予算と、みなの要望と、会社の思いとの調整を図るのは、プロジェクトリーダーのふんばりどころといえるでしょう。ここではやはり最初の“オフィス改装の目的”に立ち返り、優先順位決めをしていくしかありません。
💡 ポイント改装するにあたり、社内全体で要望を出し合い、共有しつつまとめていくことが大事なステップです。
プロジェクトに関わってもらった方が、結果に対する満足度も納得感も高まります。

②予算とスケジュール

予算と工事内容の調整、優先すべきことと、ここはやめておこうということや、工法や材料を変えればできるかもなど、ここはプロの腕の見せ所です。

今回のオフィス改装プロジェクトは、予算どり、完成イメージ提案や見積、施工まで、営業の中川が中心にやってくれました。ですからこれ以降は、中川目線でのリアルをまとめています。

💪 がんばりどころ正直予算は漠然としていました。そもそもそこまでお金をかける必要があるのかという意見がある中での予算取りです。
最後は社長の「えい!やー!」ですが、これを繰り返さないと社内全体で理解が得られません💦



※流れはこんな感じで⑨まで行っては④に戻るという繰り返しです。
①計画を立てる → ②図面を起こす → ③コストを積み上げる → ④予算を検討する → ⑤計画再検討・修正 → ⑥社内コンセンサス → ⑦コスト算出 → ⑧予算相談(社長・役員) → ⑨ ④に戻る

工事開始前の工程

*** 製作過程の、図面・パース ***

図面
図面
エントランスパース
ワークスペースパース
会議室パース
💡 ポイント改装中の業務をどこで行うのかによりスケジュールも変わってきます。弊社の場合、第一弾→第二弾と、工事を分けることで、引っ越しはしないで同じフロア内に仮事務所を設け、営業を続けることに決定。
会議室として使っていたスペースに仮設事務所を設置。
移設は比較的楽でしたが、今までの約1/4のスペースとなりかなりの密度になりました。長期での使用はストレスがかかるのでできるだけ早く完成させなければなりません。

③工事業者選定→見積→契約

通常は、どの施工会社にするかアイミツを取るなどすることがあると思いますが、あたりまえですが弊社は自社一択です。自社施工が一番安心です。

ところで自社施工のメリットは?

1.よくも悪くも試行錯誤で進めることができます。

曲線を使った壁の下地など何度もやり直しました。

Asaioffice

2.力仕事で少々人手が足りないときは、若手社員が活躍

材料・廃材の搬入・搬出など助かりました。

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3.協力してくれた業者さんもいつもの面々で安心して頼めます。

作業時間も納期も無理言いました。ありがとうございました!

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4.少々の失敗は「ごめんなさい」で済む!?
今回は37年前の複雑な電気回路に悩まされ、何度か業務中に電源を落としてしまいました・・・ そのたびにパソコンの電源が・・・ データが・・・ 悲鳴が・・・ すみませんでした💦
(※ここについては、次のコラムで説明しています。)

📐デザイン📏

大まかなイメージをデザイン事務所に依頼しました。その後、ディテールの仕様資材・配色・備品などは、施工面、コスト面、機能面、デザイン面を検討し、自分たちで決めました。

④改装前の準備作業へ

その1|不用品の廃棄と書類整理

これには、本当に総務のスタッフ2名(なんと入社1年目で!)が大奮闘してくれました。
なにせ数十年分のモノ・紙類です。

😰 Voice「なぜ今まで捨ててこなかったの??」
「社歴の浅い私たちには、全く判断ができない!」
「これなんですか?生まれて初めて見ました」←昔の電話帳やフロッピーディスクとか
「捨てていいですか?」→「ダメ」→「Why」など
などの声を聞きながら・・・、でも最後までやりきってくれました。
感謝!感謝!

中には「これはなに?」という誰も分からないものもあり、最後の最後まで大変な作業でした。
結局は、社長・役員・営業・工事の方々全員で仕分けや確認をしてもらいましたが、ずいぶんと時間を要しました。
みな、人生でこんなにものを運んだり、捨てたりしたのは初めてだったと思います。

エピソード

※実は、最初に改装を行うという企画が出てから今回の実行まで、2年経過していました。
なかなか足並みやタイミングが合わなかったのです。
ただ、改装すること自体は決まっていたので、先に”捨てていいもの”をはっきりしてもらいました。ですから大物の廃棄作業は進めておきました。そこはいざ実行するときには助かった点です。
大きなものとは、「すごく立派な社長室のデスクを始めとした家具類」「木製のタンス」「1階エントランスでほこりをかぶっていた大きなガラスケース入りのジオラマ」「使っていないソファセット」「大きなテレビ台(テレビ無し)」「使わないビデオデッキ」「昔のパソコン」などです。
「大量の書籍」「大量のフロッピーディスクやCDやMO」「保管期限を過ぎた大量の書類」も、トラックに積んでさようならしました。第一弾の廃棄作業に多くの時間を費やしてくれた当時のスタッフにも感謝です。(まだみんなが協力的でない中、ブツブツ言いながらも、やってくれました。)

その2|備品選定

これも中々大変です。
これがいいけど、サイズが合わない、ステキっと思っても、実用性に欠けるなど、案外根気のいる作業ですから、レイアウトが概ね決まったら早めにショールームなどに見に行くのがいいでしょう。そして、個性豊かな面々がそろっているので、好みやニーズも色々です。
気をつけたのは、デザインだけではなく”使いやすいか” ”メンテナンス性” などの「実用性」でしょうか。
おしゃれだけど、使いにくいものは結局使われません。
もちろん、予算という要素も加わりますから、一筋縄ではいきません。

今回、デスクや椅子などの多くを、 オフィスコム名古屋ショールームさんで手配させていただきました。何度も見積を出し直していただきました!下の写真は、オフィスコムさんがトラックで荷下ろししているところです。ありがとうございます。

ASAIOffice
ASAIOffice

💡 ポイント実用性を大切に!
備品選定時は、なるべく多くの人に選定状況を共有しながら進めると、最後のどんでん返しが無くなることでしょう。
その3|仮事務所移動

同じフロア内の大会議室とランチスペースになる部分に、仮事務所とロッカーや最小限の備品を移動します。
一時的にデスクもレンタルしました。LAN、電話、電源の配線も増設しました。
少し窮屈でしたが、業務は滞りなく進めることができたので良かったです。

この写真が同じフロア内の仮事務所です。
別の場所に引っ越しする場合は、日程調整、賃料、引っ越し代等々費用がかさみますので、そのコストはカットできました。

ただ、狭かったので、スタッフには少しストレスになり、申し訳なかったです。

ASAIoffice

居ながら改装の注意点

入念に準備したつもりですが、工事を始めてみて(工事してもらう側の視点も含め)よかった点や課題点、反省点をまとめました。

特別大きな音が出るときは事前に社内通知をしたり、職人さんも気をきかせて声を掛けてくれたりします。工事の音(解体する音、電動工具の音など)は常時出ますし、すぐ隣の部屋で事務作業をしていると気になることもあります。
とは言え完全な防音対策をすることはできませんし事務所の稼働日以外で作業することもできません。お互い声を掛け合い、予定を共有して進めることが大切です。

手前が現場、奥が事務所

ほこり

工事中のほこりには苦労しました。
作業場のほこりは毎日こまめに掃き取りや集塵機で掃除をしていましたが、どうしてもわずかなすき間からほこりが侵入し、週明けの月曜日の朝には仮設事務所の各机の上にほこりがのっていることもありました。
もう少し防塵の養生は検討できそうです。
ただ、毎朝社員の若手がこまめに掃き掃除、拭き掃除をしてくれましたので仮設事務所も快適に使うことができました。

この状態ですから、ほこりは出ます・・・

電源、電話、情報ネットワーク機器、停電

仮設事務所といっても機能(Fax・コピー機、プロッター、各パソコン等)や人員が減るわけではありませんので、それなりの電源回路・電気容量、電話回線、情報ネットワーク、は必要になってきます。これらは仮設で仮設事務所に配線を送りますが、おおもとの引き込み盤は同じです。工事中、過電流によりブレーカーが落ちたりすることの無いよう注意する必要があります。
また電気系統の調査や引き込み盤に関わる電気工事はできるだけ土曜日などの事務所が稼働していない日程で行いました。

慎重を要する作業

トイレ等の導線確保
来客時の案内

今回は事務所入り口付近も改装の対象となっていましたので、貼紙などで事務所改装中と対応方法を案内させていただきましたが、中には気づかず改装中の事務所まで入ってきてしまう方もおられました。大変ご不便をおかけいたしました。安全や防犯という面からも、もう少し対策が必要だったと思います。

工事中の仮設受付

社内へのアナウンス/工事情報共有

社内でも日々業務に支障が無いようにできるだけこまめに情報が伝わることが大事です。
当社でも数年前より社内グループウェアを導入していますが、これにより全社員への周知など情報の共有化は進歩しました。
(というかそれまではどうしていたんでしょう?←便利になると、それ以前には戻れない・・・)

モノのラベリング

すべての荷物を一旦移動しますから、迷子にならないようにラベリングをしっかり行いました。

伝統(思い)を活かしたい

今回の改装では、明らかにデスクや椅子の痛みは激しかったので、総入れ替えの決定になりました。
しかし、古くても使えるもの、大切に引き継ぎたいものは活かす方法も考えました。
例えば、会議室の木製大テーブル(サイズ2.1m×5.4m、重さ推定350kg)や、建具類です。

会議室の大テーブルをリメイク!

大テーブルは、リメイクし「受付の長いす」「応接室のカバン置き」「会議室の長机 6つ」に生まれ変わりました。リメイク作業は、腕の良い大工さんにお願いしました。
分割された板を完全に一枚の板にしたり、板と脚をまるで一体のように加工したり作業過程を見なければまるで魔法🪄のようです。
やはり、よいものはリメイクして引き継いでいきたいものです。

💡ポイント💞
会議室の大机は分割できるものの、当時は搬入にレッカーを使うなど苦労して設置したと聞いています。また、事務所内の木製建具はチークの突板を使用していて社長室や会議室の突板壁材と合わせて先代が「モノづくりには本物を使いたい」という強い思いを入れがあって製作させた代物です。

担当者コメント

「一に準備、二に準備、三四も準備で五も準備」というくらい準備が大切です。
かなりエネルギーをかけ念入りに検討し計画しました。
社内のコンセンサス、予算作成、仕様資材の選定、協力業社の選定・打ち合わせ、価格交渉、計画図・指示書・施工図作成、スケジュールの作成、等々。
ここまでやっておけば、あとは実行し作るだけです。とここまでは思っていましたが・・・。
それでも工事が始まれば次から次へと問題が・・・。

とはいえ、工事が全て予定通りに進むのはまれなことです。目の前に現れるさまざまな課題を、仲間や協力会社のみなさんの知恵を出し合い、助け合って乗り越えるのが、建設業の醍醐味かもしれません💦

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