浅井工務店

コラム

リフォーム

療育センターの設備改修事例:22年経過した空調設備をリニューアル

  療育センター空調

療育センターでの快適な環境維持には、空調設備の適切な更新は不可欠です。今回は、22年使用された空調設備を一気にリニューアルした事例をご紹介します。 福祉施設ということで、工事のタイミングや期間も工事を承る上で大事な要素となりました。

福祉施設の傾向

福祉施設は日本全体で増加傾向にあります。2022年の統計によれば、全国の社会福祉施設は約8万施設以上に上り、年々増加していますが、それでもなお一部の地域では施設の不足が問題となっています。
特に障害児施設や療育センターのような専門施設の数は限られており、利用者が増える一方で施設の老朽化も進んでいるため、施設の維持・更新が急務となっています。

療育とはどんなところ?

療育センターは、発達障害や身体に障害を持つ子どもたちが適切なサポートを受けられる場です。それぞれのお子さんの今の困りごとの解決、および将来に向けた自立と社会参加を目指した支援などさまざまなケアを行う場です。子どもたちの成長と発達を促進する重要な役割を担っています。こうした施設では、利用者に合わせた専門的なケアを提供するため、安心安全な場所でなければなりません。適切な設備の維持・更新は不可欠です。

施設の現状

昨今の夏の暑さは、特に空調設備が老朽化している福祉施設にとって深刻な問題です。また、慢性的な人手不足が続く中、スタッフの負担も増加しています。特に療育センターでは、個別対応が必要な利用者が多く、衛生管理や温度調整など、設備のメンテナンスが利用者の安全に直結します。このため、最新の設備の維持管理は、より大切でしょう。

運営側のお悩み

療育センターの運営者は、限られた予算とリソースの中で、設備更新に踏み切れないことも多いようです。設備更新には、最新の設備に関する専門知識や技術が求められますが、当然スタッフは日常業務に追われており、予想以上に時間のかかる設備選定に時間を割く余裕がないことでしょう。
費用面では、補助金や助成金の活用できるケースではぜひ活用したいところかと思います。しかし、申請の手続きが複雑そうで・・・と、ためらってしまうこともあるのではないでしょうか また、利用者に与える影響も大きいため、工事のために施設の一部を閉鎖することもままならず、工事のタイミングを決めることも大きな課題といえます。

工事概要

エリア愛知県名古屋市西区
築年数築22年
工事内容空調更新工事
工事期間2024年8月10日~8月20日

空調工事に至った背景

一般的に、空調設備の寿命は15~20年と言われており、古い空調設備は効率が悪くなり、故障の頻度も増加します。このため、施設の快適性を維持するためには定期的な設備更新が必要です。
この療育センターでは、施設開設以来22年間使用されてきたビル用のマルチ空調システムが、次々と問題を引き起こしていました。特に、水漏れなどの故障が日常的に発生し、利用者とスタッフは不便を感じるようになっていました。空調が安定して動作しないことで、夏場の暑さや冬場の寒さに対する十分な対策ができず、利用者の快適性が大きく損なわれ、日常業務にも支障をきたす状態となっていました。

そこで、昨年には1階のエアコンを更新しました。そして今年は2階と1階の厨房を更新するという計画が進められていました。
特に、療育センターのように障害児や特別なケアを必要とする子どもたちが利用する施設では、空調が適切に機能しないと健康に影響を与える可能性が高まり、適切な設備更新が求められます

今回のお客様のご要望

空調システムの性能は現行と同等であり、かつ省エネ効果が期待できるものがいい。
障がいのある子どもたちが通う保育園や診療所、リハビリ施設が併設されているため、通常営業中の施工は避けなければならない。
ですから、平日の夕方や休業日での施工を、可能であれば実施してほしい。

弊社の対応

工事期間

工事期間中の営業への影響を最小限に抑えたいというお客様のご要望に応じて、弊社は8月10日から8月15日までの夏季休暇期間中も、施設の長期休暇期間に合わせて施工対応をいたしました。

空調設備選定

新しい空調システムには、既存の室内機の性能や形状に近く、なおかつ省エネルギー効果のあるものを選定しました。1階の暖房と2階の空調を全面的に更新し、既設と同じメーカー(DAIKIN)のビル用3系統エアコン、合計34台の各室内機を導入しました。詳細は以下の通りです。

・加湿器付き:15台
・加湿器無し:8台(壁掛1台を含む)
・厨房用天埋型外気処理エアコン:1台

工事の流れ

  1. 内機から外機へ冷媒回収
  2. 室外機撤去・載せ替え
  3. 室内機外し
  4. 配管切り回し
  5. 新室内機設置
  6. 室外機配管
  7. 試験運転
  8. 完成

\施工実績には施工中の写真も掲載中。施工実績はこちらからどうぞ

化粧カバーで、きれいなおさまりへ

さらに、新型機器の一部は小型化。旧機種との差は化粧カバーを使用し、既存の天井を大きく改修せずに取り付ける工夫を行い、コスト削減も実現しました

工事中はこんなこともありました

施工中には、予想外のトラブルも発生しました。古い室外機で冷媒の回収がうまくいかず、真空ポンプを用いて直接回収用ボンベに冷媒を回収しました。
また、一部の部材に欠品がありました。運転に支障がないことを確認した上、発注者の了解を得て、後日に施工を行いました。
さらに、設置台数が多かったため、材料を効率的に分配し、役割分担を決め流れ作業を行うことで、スムーズに進行しました。

❓冷媒とは

室内機と室外機の間をぐるぐる回りながら、空気の熱を運ぶ、空調機器には無くてはならないものです。

❓真空ポンプとは

エアコンの配管内に残っている空気や水を抜き取り、真空に近い状態にするものです。配管内に水や空気が残っていると故障の原因になります。

空調設備入れ替えのメリット

運営者側

空調全体の更新で安全性と快適性が向上し、スタッフも安心して働く環境が整いました。
最新の空調設備に更新することで、運営側にとっても大きなメリットがあるはずです。省エネ効果により、光熱費の削減が期待できるだけでなく、快適な環境はスタッフの働きやすさにもつながること間違いなしです!
福祉の現場は、感情労働と呼ばれるほど、心の負担が大きいため、環境が改善されることで、日ごろがんばっているスタッフのモチベーションや健康維持に貢献できることを期待しています。

利用者側

利用者側にとっても、空調設備の更新による快適な環境が大きなメリットです。特に自分の感覚をうまく伝えられない子どもたちにとって、快適な室温が維持されることは大切です。適切な空調管理が行われることで、夏の暑さや冬の寒さから守られ、健康的に機嫌よく過ごすことができることを期待しています。

施工担当者のコメント

今回プロジェクトを担当させていただいた浅井です。

今回の改修工事では、利用者やスタッフのみなさまが、快適に過ごせる環境を整えることを第一に、限られた工期で効率的に作業を進めることを重視しました。空調システムの更新により、快適な環境になり、省エネ効果も期待できるようになりました。 工事後にお客様からいただいたお声を聞き、工期通りに工事を終えることができ、私もほっとしました。 これからも安心で快適な環境で、利用者様とスタッフのみなさんがご利用いただけますと嬉しく思います。  

まとめ

今回は、福祉施設の療育センター空調リニューアル工事をご紹介しました。
人を預かる施設では、やはり工事のタイミングを慎重に決め、早めのスケジューリングをしなければなりません。また、われわれ施工者はそのスケジュールを厳守するようベストを尽くします。

工事後のお客様のひとこと


 「期間内に完成して助かった!」

 

これからも、予定通りの期間で完工するように、力を合わせてがんばります。

弊社では福祉施設の新築や改修工事も、ご相談も承っております。
遠慮なくどうぞご相談くださいませ!

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