補助金活用の成功事例:新永ホテルの工事完了報告
ホテルの改修工事を行う業者を探すという経緯で、新永ホテル様から直接に弊社のホームページに問い合わせが届きました。
工事は2024年1月からスタートし、3月末に完了いたしました。
本日、プラン提案から施工完了までレポートをさせていただきます。
工事概要
エリア |
愛知県豊田市 |
築年数 |
築26年 |
構造・階数 |
鉄筋コンクリート造7階建て |
工事期間 |
2024年1月~3月末 |
工事内容 |
空調・換気・照明器具・内装リニューアル |
課題
- 空調:現在のロスが高い。電気節約のため、全館空調から個別空調への変更を検討したが、客室にバルコニーがないため、配管や室外機の配置に課題がある。
- 換気:共有廊下に嫌な匂いがする。換気の排気が汚れで詰まっており、給気が少なく、能力的にも低い状態。
- 照明器具:蛍光灯からLEDに変更する予定。
- 内装:フロント・客室のデザインと雰囲気を変更したいと考えている。クロスと合わせ、ベッドや家具も統一に。マットレスは再利用。
- 補助金の利用:利用可能な補助金を有効活用したい。
提案作成
お客様の要望に応じて、一つずつの課題の解決方法を提案します。
実際に同じような家具のお部屋の構成と家具の配置を採用している「草津第一ホテル」様を見学させていただき、家具のデザイン等を参考させていただきました。
お客様がイメージしやすいように、パースを作成して提案内容を視覚化。
補助金申請サポート
工事内容及び工事期間に該当する補助金の情報を調べた結果、「豊田市省エネ誘導支援補助金」を利用することに。
しかし、補助金の条件に基づき、交付決定が下りてから着手ができないうえ年度末完成が条件とうことで、早速申請書類の準備を。
申請した補助金内容
【補助金対象】空調・LED照明
【補助率】1/3以内
【補助上限額】500万円
【補助対象経費】設備の本体価格に限る
既設の写真・型番・図面等様々な書類を揃えるのは大変でした。特に、設備それぞれの省エネルギー計算は一番難しかったです。それに加えて、もう販売されない既存設備に対して、資料を入手するのにメーカ-まで問い合わせしないと。。。
途中、照明器具の変更に従い、変更申請もサポートしました。
結局、上限に至った500万円の交付決定が下りました。
(工事が終わった後、実績報告書書類ももちろんサポートいたします)
着手
工事の準備(撤去及び荷降ろし)
まず、客室の家具を撤去し、処分します。 マットレスは保管する必要があるため、注意して運びます
空調設備設置
客室に室外機の配置ができないため共用廊下のバルコニーに設置するという対策を提案。
穴あけ作業の前にコンクリート探知機を用いて、鉄筋探査を行い、穿孔位置を確定します。これにより、誤って鉄筋を切ってしまうことを防ぐことができます。
客室から共有廊下に沿って外まで配管を引きます。LGS工事でスペースを作り、配管を隠します。
室内機、室外機を組み立てます。
※バルコニーは避難バルコニー、避難階段とも接していますので設置位置は消防署とも打合せをして確認をとります。
エアコンは室内機から結露水がでますのでそれを排水する必要があります。
ドレンホースをユニットバスに設置します。
※ドレンホース:エアコンから出た結露水を排水するホースです。
それで、問題が解決できました!
換気設備
天井をあけてみて、26年に経っている換気設備がやはり老朽化しています。
新しい換気設備を交換しましたが、給気がまだ少ないと言われて。。。
なぜでしょうか?
原因は、給気口のフィルターにありました。こんなにホコリが詰まっています!
フィルターを交換したら、問題解決!
客室の内装
家具を固定するためコンクリート壁に造作して、パテを塗っておきます。
クロス・カーペットを貼り替えます。
最後は家具を搬入・組み立てます。
ロビー・フロント
フロントの上部にひびが入ったことがきっかけで、フロントの改修も行いました。
フロントの天井の下地を作り、プラスターボードを貼ります。
塗装工事に入ります。
フロントの正面壁に木彫目パネルを入れたり、クロスを貼ったり、新しい照明器具を取り付けたりします。
※照明器具は補助金の条件も対応しながら、場所に応じた適切な明るさや色温度などを考慮し、適切なLEDを利用。
成果
・フロント: 間接照明と内装パネルにより、高級感のあるデザインと雰囲気が実現しました。
・共用廊下: 明るく清潔な環境が実現し、お客様の快適な滞在をサポートしました。
・客室: 快適な空間が提供され、お客様の満足度が向上しました。
工事前と工事後はどうのように変わったのか、Before&Afterの写真を見ましょう。
フロント
共有廊下
シングルルーム
(ダブルシングルルーム)
ツインルーム
まとめ
今回の改修工事は、空調や照明器具などの電気設備交換から内装リニューアルまで、かなりボリュームのある工事でした。補助金の条件により、工事期間が制限されるなか、様々な課題が立ちはだかりましたが、皆様のご協力のおかげで工事を無事に完成させることができました。
今後もお客様にとって快適で満足度の高いホテルを提供できるよう、努めてまいります。
今回現場を担当した朴のコメント
今回、ホテル新永の改修工事を担当させていただいた現場監督の朴です。
築約26年、一度も大きな改装されていなかったため、手入れは行き届いていましたが設備や内装など隠れた部分の劣化が予想以上でした。
全館空調から個別空調への変更というご要望は施工面で非常に難しい課題なので、多くの会社に断られたというお話を伺いながら、できる限り私たちは最適な方法を見つけて提案させていただきました。
3か月という工期の制約の中で、途中でも案外の問題も発生しましたが、皆様のご協力のおかげで工程通りに進み、ゴールデンウイーク前に無事に完成でき、よかったと思います。
5月の連休中に満室の予約が入ったと聞き、大変感激しています。
お客様の満足度が向上し、ホテル新永が選ばれるホテルとなったことを誇りに思います。
今後も、ご利用いただくお客様がさらに増えることを願っております。
改修から5か月後の状況
\ 新永ホテル様の声:個別空調への切り替えがもたらした予想以上の効果 /
『コロナ禍の影響で、当ホテルの本館の稼働率が新館に比べて低下していました。全館空調システムの場合、稼働率が低くてもすべてのエアコンを稼働させなければならず、電力の無駄遣いを強く感じました。そこで、より効率的なエネルギー管理を目指し、ガス式の全館空調から個別空調への変更を決断しました。とはいえ、フル稼働時にはすべての個別空調機も稼働するのでどのくらいの電力消費になるのか心配でした。
しかし、変更から5か月が経過し、その効果を実感することができました。
稼働率が低い時期には、以前と比べて確実に節電ができています。そして、最近コロナが落ち着き、夏休みには満室となるほどのお客様をお迎えしました。フル稼働の状態でも、使用電力量が予想以上に大幅に削減されていることに驚きました。
特に、以前は最上階の暑さに対するクレームが夏の恒例となっていましたが、個別空調の省エネ性能の向上により、その問題も解消されました。この結果は嬉しいです。
やはり全館空調から個別空調への変更は、大正解だったと確信しています。これからもお客様に快適な滞在を提供できるよう、引き続き最適な環境づくりに努めてまいります。』
(ホテル新永 代表取締役 山内 康弘様より)
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