建物竣工間近の重要局面、マンションの『社内検査』を実施しました。
弊社では、建物が完成するまでに必要な、各種打合せ・記録・検査に誠実に取り組んでおります。
(『浅井工務店の強み』ページでご紹介しています。)
その中でも今回は、お引渡し2週間前に実施した「社内検査」についてです。
特に今回は、初参加の社員がおりましたので、その感想を含めてまとめました。
社内検査した物件
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構造:鉄筋コンクリート造12階建てマンション
部屋数:22戸
竣工年月:2022年9月
検査担当:浅井工務店社員(合計8名)
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社内検査の前に
検査に先立ち、初めての者には社内検査チェックリストを用いて説明し、注意事項を共有しました。検査する場所が多く、大変な作業です。
社内検査スタート
検査は、「入居者になったつもりで」厳しく、隅々まで目を光らせます。
検査をする人、検査結果を記録する人に分かれ、最上階から5-6人一組でまわりながら、みんなで「ここに汚れがある」「ここ少し斜めじゃない?」「この窓、開け閉めが重すぎる」「クロスに隙間がある」など、声をかけながら、判断しにくいところはみんなの意見を聞きつつ進めていきました。
工事課社員同士だと、上司から若手社員への熱い指導のシーンも見られます。
すごく勉強になる場でもありますね。
↓これは、検査結果を記録した用紙です。左に図面、右に具体的な状態を記入します。
該当する場所には、後で現場監督が見たときにすぐ分かるよう、マスキングテープを貼りつけておきます。
初めて社内検査に参加した社員の感想
- お部屋のデザインが素敵で設備も最新のもので、きれいでした。
- 細かく、厳しく観察するので、思ったよりたくさんの是正点がありました。
- 一番多かったのは壁のクロスの継ぎ目に隙間があること、壁や設備の傷、ビスの欠損、壁の汚れでした。
- 検査に先立ち、検査項目リストをもとに説明は受けました。が、検査項目リストも大切ですが、目で見て、手で触っての凹凸確認や、平行に保たれているかの確認などが、予想以上に大切だと感じました。
- 拭きとれる汚れなどは雑巾で拭き取りました。(事前に雑巾持参と言われたわけを実感)
- ビスや釘などは、ドライバー等でその場で直すこともあるのだなと知りました。
- 確認する箇所は“すべて”と言われていた通り、背伸びしたりしゃがんだりと、普段のデスクワークとは違う大変さでした。(事前説明で、ズボンで来た方がいいと言われたわけを実感)
- 今回は、ほぼ全室でトイレのドア部分に是正点がありました。工事課の人は、ドア取り付け時に、「職人さんはどうやって付けたのか?」と考えることにより、今後そのような是正事項がないよう見直しているようでした。
私とは、着眼点や対策への具体的なアプローチ方法が違うと、感じました。 - この「社内検査」で、直すべき箇所を全てつぶし、施主検査で指摘ゼロという結果になればいいなと思いました。そういうつもりで取り組めたのは、よかったです。
- おもしろい体験でした!
1年前と1年後の現場写真
建築の検査とは
検査の種類(完成時)
自主検査 | 施工業者や、現場監督ら、実際に工事をした者による検査 |
社内検査 | 建築会社社員による検査 ※今回はここです。 |
工事監理者検査 | 工事監理者による検査 |
施主検査 | 発注者様(建築主)による検査 |
消防検査 | 消防署による消防法に基づく検査で合格すると、消防設備等検査済証が交付されます。 |
確認審査機関検査 | 建築基準法に基づく検査で合格すると、検査済証*が交付されます。 |
*検査済証 ←これがないと建物が原則使用できません。
検査の目的
人々が、安心・安全に住むことができるように、建築物の敷地や構造、設備、用途などについて最低限の基準が建築基準法に定められています。
この基準に適合しなければ、建築自体ができません。それが【建築確認】です。
工事完了後に、建築確認を受けた図面のとおり施工されているかなどの検査を行い、建築基準法の基準に適合していれば【検査済証】が交付されます。
つまり“みなさんが安心・安全に住むことができる建物”であることを、確認してもらう大変重要な検査です。
この時発行される【検査済証】は、増築時などに必要な書類となりますので、大切に保管をしましょう。
まとめ
社内検査は、“百聞は一見に如かず”で、やはり実際に検査を行うことで色々なことを感じた初参加社員でした。
他部門の仕事に触れることで、それまで机上でしか理解できていなかったことや、現場ならではの大変さを五感を通して体験できたことと思います。
現場に関わったからこそ、この後の施主検査が気になるところですが、今回の社内検査が役立ち、施主様にご満足いただけることを楽しみに待ちたいと思います。